戦国無双Chronicle 2nd　3DS

前作「戦国無双Chronicle」に追加要素を加えた作品。

一番の目玉は、一本道だったストーリーが、今川、浅井、織田、徳川など、それぞれの視点でゲームを進める事が可能になりました。
第一印象は「良くも悪くも変わっていないなー」だったのですが、敵側だった立場から遊ぶと、新たな面白さがあります。
各勢力の視点で進められるので、前作では脇役、やられ役だったキャラが魅力的に描かれているのが良いですね。
斎藤龍興なんて、プレイヤーキャラより目立ってますしね。あの顔で10代だし（笑）

ただ、勢力毎にステージをこなしていく過程で、史実で同盟を組んでいると、それぞれの立場で同じ戦を何度もやらされる事になります。
最終的には東軍と西軍に収束されますので、終盤は「何回大坂の陣やらせるんだよ」って、うんざりしてしまいます。
ゲーム終盤だけにこの印象が強く残ってしまい、新規ステージの印象が薄れてしまうのは、ゲーム的にもマイナスですね。
まあ、歴史的に重要な戦は前作で出尽くしていますので、小競り合いが追加されたところで、印象に残らないのは仕方ないのかもしれませんが…。

さて、今作では、メインモードである「無双演舞」（ストーリーモード）の他に、協力プレイ可能な「猛将演舞」（スコアアタック）が追加されました。
こちらは時間内にどれだけ敵を倒せるか、自分も敵も一撃食らったらアウト、指定された敵のみ倒すなど、様々な条件下でスコアを競うモードで、ネットランキングにも対応しています。
私の腕では上位に入るのは無理ですが、上手い人がどんなキャラを使っているかを参考にして、攻略法を考えていくのも楽しみ方の一つです。
元々この「クロニクル」は、操作していないキャラにどんな指示を与えるかが重要なので、こういった戦略性のあるモードを追加したのは大正解ですね。
試行錯誤しながら、地道に記録を更新していくのが楽しいです。

ただまあ、やっぱり基本的に前作から変わっていないですね。

「三國無双VS」ではキャラの表示が大きくなって、動きもキビキビとしていて、エディットされたキャラのカットインも実にスムーズだったのに、そちらではなく、前作を流用していてガッカリしました。
「三國無双VS」では主人公キャラの性別をいつでも変更できたのに、こちらでは出来ないし…。
なぜ、同じ会社で作られたゲームの良い点を継承しないのか…。

正直言って、完全版といっても差し支えない内容です。
作品自体は面白いし、追加要素も楽しめているので良いのですが、完全版をフルプライスで販売して、その上アンロック式の有料ダウンロードコンテンツ（以下DLC）というのはどうかと思います。

「無双シリーズ」は、メジャーな武将や戦は出尽くしている訳で、このまま続けても先細りになるのは目に見えています。
だからこそ、「クロニクル」や「三國無双VS」で新たな方向性を模索している訳で。
幸いにも、「クロニクル」は好評だったのですから、もっと大事に育てて欲しかった。
安易な完全版やDLCで、数少ないユーザーから搾り取る様なことはして欲しくなかったです。
メーカーとしては、シリーズを育てていく気などなく、ガンダムやワンピースなど、人気キャラでその場凌ぎの無双を作っていけばそれで良いってことなんですかね？

この作品自体は面白いし、とても楽しく遊んでいるのですが、メーカーの向上心が感じられないのが、ただただ残念で悔しいです…。

【戦歴パネル：コンプリート】