今後のオウガバトルサーガの展開について

かなり思い入れたっぷりな文章です。文字が詰まって読み辛いかもしれません。すいません。

「オウガバトル」の版権をスクウェアが獲得しましたッ。
それにより、クエストからスクウェアへと移籍した、松野泰己さんをはじめとする「オウガバトル」の主な製作スタッフが、再びオウガバトルサーガを紡いでいくことになりそうです。

私自身、本当に本当に、本当のオウガバトルを待ち望んでいました。クエストをスクウェアが買収してくれないかと密かに思ったりもしていました。
が、オウガバトルを再び松野さんが手掛ける事など有り得ないと思っていました。
イチローが日本ハムファイターズに入団するように…。

主力スタッフが抜けてからのクエストは今まで以上に任天堂と密な関係になり、スクウェアからはあまり景気のよい話は聞かなくなっていきました。
が、しかし本当に何が起こるかわからないゲーム業界、今回は私の中で1%もないであろうと思っていたことが現実のものになろうとしています。

ただ、正直言って、松野さんの新作オウガが発売されるその日まで、どうなるのか分からない…。
それくらい混沌としているのではないでしょうか?でも、そんな不安よりもはるかに大きな期待に胸を膨らませています。

さて、松野さんがオウガバトルを手掛ける事になるとして、私なりにふと感じたことを少し書いてみたいと思います。

まず一番気になるのが、松野さんの「オウガバトル」に対するモチベーションです。
彼自身、再び「オウガ」を製作する事をどの程度意識していたのか。
一度は別れを告げた「オウガ」に対して、どのように向き合っていくのだろうか。そして何よりも、(今の)彼にとって「オウガ」はいったい何なのか、ということです。
堀井雄二さんにとってドラクエが全てではないでしょうし、倉本聰さんにとっての「北の国から」もそうでしょう。(シリーズとしての「オウガ」が、上記の物にまで届いていないということは認識しています。)
私自身、過大な期待(ある意味病的なまでの)をしている事は重々承知ですが、それでもやっぱり期待せずにはいられないのです。

タクティクスオウガ(以下「T・O」)の項でも述べたのですが、スクウェアに移ってからの作品を見ると、どうしてもオウガからの逃避もあったのではないか、と感じてしまう自分がいます。
ただこれは、社内外で、"彼の色"の作品を求めている事にも大きく影響があるかと思います。
そして、「ベイグラント」以降の充電期間を経て、ファイナルファンタジーという、これまでとは全く違った舞台で、新たな一面を表現して頂きたいと思います。

さて、そのFFが終わった後での新作ですが、さしあたっての注目点として、「オウガバトル64」(以下「64」)の扱いです。
私としては、このエピソード6を作り直して欲しいという気持ちでいっぱいなのですが、常識的にみて可能性は低そうです。
まあ、「64」において、松野さんのイメージしたものが全くないとは言えないとも思います。クエスト社に設定資料等が残っていたでしょうし、いくら会社が変わったとはいえ、「64」製作にあたり、製作者と抜けた人の間に多少なりともコンタクトがあったと考えるのが普通ではないでしょうか。
もちろんスタッフがクエストに残ったとしても、仕事の話をするとは限りませんが…。

で、そんなこんなで完成した「64」ですが、もちろん、「正統な」続編でないことはもちろんですが、やはり前2作に比べて弱すぎます。
ゼノビアを解放した騎士たちがローディスへと遠征していく、このエピソード6は、サーガの上でハイムの戦役よりも遥かに重要な位置付けのはずです。
ですが、かなり平坦・平易で、登場人物も”わかり易く”作られており、ここから他のエピソードはどう繋げて行けば良いのやら…。
そんな気でいっぱいです。
「伝説のオウガバトル」(以下「伝説」)や「T・O」は他のエピソードへの想像を膨らませてくれる複線がちりばめられていたのですが、「64」にはそういった物が感じられませんでした。
また、ボルマウカ人の解放もかなりあっさりとした描写で、ある程度覚悟をしていたとはいえ、やっぱり現実から目を背けて、「松野さん、オウガつくって…」と、うわ言を言うようになってしまったのです…。

しかし、これもまた、彼の選択のもたらした結果であり、そこから目を背けることはやはりできないのです。
そのことは彼にとっても同様なわけで、「64」からどのようにサーガを紡いでいくのか、まるで今年の星野阪神のように注目です。

今のところ、完。

私、偉そうなこと言って、「ナイト・オブ・ローディス」未プレイです。すいません!

2004/6/24追記:
「タクティクスオウガ外伝」プレイしました。なかなか面白いですね。少なくとも「オウガ64」よりは面白いです。

2005/10/28追記:
ご存知の通り、松野さんはFF12のプロデューサーを降板しました。(今後は監修という肩書きに)
う~ん、一体これは…。正直、松野オウガが世に出ることを諦めかけている自分がいます…。

2006年9月6日追記:
皆様ご存知の通り、松野さんはスクウェア・エニックスを退社されたようです。詳細は存じ上げませんが、「オウガバトル」の版権はスクウェア・エニックスにあるでしょうから、「松野オウガ」はジ・エンドと考えるのが妥当でしょう。

「誰も僕を責めることはできない」なのだろうか…。
「すくいきれないもの 」と言う現状ですが、「思い通りにいかないのが世の中なんて割り切りたくないから」

2007/11/4改訂:
文法の誤り等を修正。書いた時と状況はかなり変わっていますが、内容は変更していません。

とりあえず、次回作以降への気になる点。(他にありますかね)

■□「伝説」より■□
・ハイランドへ忍び寄るローディスの影。
・転生したラシュディのその後。
・天空の3騎士の地上との関わり。

■□「T・O」より■□
・ランスロット・タルタロスのその後と、ハミルトンとの因縁。
・バールゼフォンとハボリム。
・ヴォラック・”ウィンザルフ”について。
・デニムのその後。
・その後のウォーレン。
・転生したアルビレオ。

■□「64」より■□
・転生したラシュディのその後。
・ゼノビアの騎士のその後。

松野泰己…「オウガバトル」シリーズ製作の中心人物の一人。SFC版「伝説のオウガバトル」「タクティクスオウガ」に携わり、その後クエストからスクウェアへと移籍。同社で「ファイナルファンタジー・タクティクス」「ベイグラントストーリー」を手掛ける。「ベイグラント」では同社の期待に反して回収が思うように進まなかったが、看板タイトルである「ファイナルファンタジー」シリーズ最新作のプロデュースを務めるなど、その手腕は高く評価されている。いわゆる”外様”の同シリーズプロデュースは極めて異例(多分…)。

~2002.4.10記す~

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