□■ top > ゲームレビューの殿堂 > た行 □■
SFCで発売されたシミュレーションRPGを、15年の時を経てリメイク。
元の作品に思い入れがありまくりなので、これ単体での評価は出来ません。
遊んでみてまず感じたのが、「懐かしいなぁ。」
見た目がそのままなので、すんなりと入って行けました。
そのままと言っても、魔法などのエフェクトはカッコ良くなってます。自己主張しすぎないところがまた良いですね。
システム面では結構変更があるのですが、「重さ順に行動する、高さなどの地形を利用した戦闘」という肝はそのままなので、違和感なく入って行けました。
また、いつでも前の手をやり直せる新システムが導入されました。ペナルティはないし、その場ですぐにやり直せるので、ストレスがなくてとても遊びやすいです。
ペナルティはありませんが、このシステムを使った履歴は残るので、なるべく使わずに進めたくなるのが人情ってモノです。
やり直しシステムがあるくらいなので、ゲームの難易度は高めです。
アンデッドの除霊や成長システムが変更になった事もあり、1章が一番難しいですね。
また、クリア後に特定の場面から再開できるので、分岐を遊び直すのが楽になりました。
分岐でセーブデータを残しておく必要がないし、育てたキャラを持ち越せるので攻略が楽になり、ストーリーを楽しむのに向いています。
今作は、戦闘中の会話が大幅アップしています。
物語への没入度が更に増して、これが一番嬉しい要素ですね。
カチュアとヴァイスの本音のぶつかり合いはグッと来るものがありますし、死者の宮殿B5Fのニバス、オリアス、デボルドのイベントが強烈なインパクトを残します。それまでの彼らのイベントでの違和感、デボルドのキャラ変更はこういう意味だったのか、と一気に氷解します。(それだけに「ルートによる家族構成の変化は必要だったのだろうか?」と言う疑問も湧きます。と言うか、選択によって未来が変わっても、過去が別物でしたというのはおかしいでしょう。)
物語の追加部分としては、今回はガルガスタンに焦点が当たっています。SFC版では多数派の割りに噛ませ犬的なポジションでしたが、ここがクローズアップされたのはとても良かったです。
SFC版経験者で時間のない方は、ロウルートが一番変化を感じられるのでオススメです。
SFC版は魔法と弓でごり押し可能でしたが、今回は前衛を使う必要があって、クラスの選択肢が増えたのは良いですね。
(何周もすれば、弓だけでオッケーになりますが)
それと、クラス毎のレベル管理なので、「誰で止めを刺して…」などと考えずに、戦闘に集中出来るのはありがたいです。
ただ、使っていないクラスは専用クラスでも低レベルなままです。
終盤に加入したキャラ(クラス)はそのままだと使い物にならず、他のクラスに追いつくまでが面倒くさいです。
トレーニングが廃止されたので尚更に。
新たにクラスチェンジ出来る様になっても、その都度レベル1からなので、初回プレイでは初期クラス以外殆ど使いませんでした。
周回プレイ前提と言うか、やたらと時間が掛かる作りなのはどうかと思います。
クラスのレベル上げ以外にも、スキルの熟練度やドロップアイテムの仕様とか、合成、転職証とか…。
死者の宮殿も前作の小部屋の方が楽で良かったです。配信直前にB100Fに到達したばかりだったので、ダウンロードコンテンツ(以下DLC)で再び潜るハメになり、切れそうになってしまいました…。
とにかく、何をするにも時間が掛かります。
15年前のゲームをリメイクするのに、なぜ当時よりも手間の掛かるものにしたのでしょうか。
モンハン3の発売日が近い事もあり、中古流れを遅らせたいという、プレイ時間の水増しにしか思えません。
「タクティクスオウガ」にそんな小細工をして欲しくなかったです。
ゲームの本質で勝負して欲しかった…。
それが出来るタイトルなんですからッ!!
面倒な仕様のせいで、3ルートをやる気をそがれて逆効果だと思います。
私はSFC版に病的なまでの思い入れがあるので3ルートやりましたが、ハッキリ言って一周しただけでお腹一杯になります。
ですが、そうは言っても、エンディングの「To Be Continued」で涙が出てきました。
そして、「次がなかったら生殺しすぎるわ。」とつぶやいていました。
やはり、オウガバトルサーガが展開していってこそ、初めてこのリメイクが成功したと言えるのではないでしょうか。
SFC版ではエンディングが「The End」だったのが、今回は「To Be Continued」なので、次があると信じています…。
(カーテンコールへ続くという、至極真っ当な意見は却下)
以下、その他感想を箇条書きで。
さて…。
最後にちょっとマニアックな話をしてみたいと思います。
今回残念だった事に、イベントの背景にデネブを写り込ませようとすると、ルートごとにデネブの除名→再雇用をしないといけない点があります。
比べてみると、うぃっちの足の長さが良く分かります。(クリックで画像拡大します) |
…こんな事気にするのは私くらいでしょうか?
でも、汎用ウィッチじゃ、嫌なンですよ!
デネブ加入まではかなり面倒なんですよね。うぃっちとなると、尚更。
ただ、デネブだけは、仲間にいれば運命の輪を使っても、ウォーレンの見舞いイベントが発生します。
つまり、そのルートで仲間にしなくても「仲間にいる状態」として判定しているみたいです。
ただ、それが不完全なんですよね。
イベントではデネブは写らないし、4章開始時点でカボちゃんのお店になるので、ウォーレンレポートの人物にも登場しません。カボちゃんはデネブイベント後の人物紹介なのに、肝心のデネブさんがいない…。
(ウォーレンレポートに登場させるには、除名してデネブのお店を読む必要があります。)
まあ、キャラの写り込みはデネブだけじゃないし、ホントに細かいことなんですけど、魔女っコが好きなンですよ!!
それとは別に「モルーバの娘たち」は別枠で保存して欲しかった。(クリックで画像拡大します) |
何はともあれ、15年ですか…。
「運命の輪」を使いながら、現実のifを考えざるを得ませんでした。
やはり、オウガバトルサーガが展開していってこそ、初めてこのリメイクが成功だったと言えるのではないでしょうか。
(大事なことなので2度言いました)
【C、N、Lルートの順にクリアー&DLCクリアー】