ドラゴンクエストVII　エデンの戦士たち　PS

パズルのピースを組み合わせるように、世界を創り上げていく壮大なRPG。
ドラクエの中でも随一のボリュームで、100時間以上普通に遊べます。
今回は、仲間キャラがとてもよく描かれています。旅を通じて成長していく姿が丁寧につづられており、共感できます。

今回も転職システムは健在で、これを極めるにはかなりの時間を要します。
やはりダーマ神殿で転職するのですが、いつでも転職できるようにして欲しかったところです。
ダンジョンの途中で熟練度がMAXになると、次からの戦闘が無駄になってしまいますので。
また、必要戦闘回数がいつでも確認できないのも難点です。この辺は、ドラクエVIから改善がなかったのが非常に残念なところです。

他にやりこみ要素として、モンスター牧場に敵を捕獲出来るのですが、これがまた、そろえるのは至難の業です。
また、やはり完成させるのが大変な移民の町や、クリア後のお楽しみも健在です。特にクリア後のお楽しみへの導入方法は、なかなか味があります。
ゲーム本編がとにかく長いので、プレイ自体が自然とやりこみにつながっており、極めたくなるのが人情ってもんです。

ゲームの流れとしては、特に序盤、かなりゆっくりと流れますので、「さあ、ドラクエをやるぞ」と、はやる気持ちでプレイし始めると、肩透かしを食らうことでしょう。
ディスク2で100時間近くなったところで、ようやく物語が盛り上がってきます。
この辺はこの作品が3ヶ月の通常連続ドラマではなく、一年間放送される大河ドラマと理解すれば、気を静める事が出来ます。先は長いので、序盤でイライラしない、と。

この作品は、流れ込んでくるイベントに身を任せながら進めていくのではなく、自ら一つずつ次の一手を作り出していく流れです。
ですから地味です。
ムービーを含めたグラフィックも、発売時期的にかなり寂しいものがあります。
ですが、面白いです。
新たな発見をしていく楽しみは、「ゲームをしている」と感じさせてくれます。
「次の展開を知りたい」ではなく「次の世界を作り上げたい。」こうしたモチベーション維持のさせ方はさすがに上手いところです。
ですが、あまりにも長いので、一つひとつのイベントに思い入れが薄くなり、作業的になってしまう面は否めません。

出来に関しては、やはりドラクエ。とにかく長いので、途中で疲れてしまうかもしれませんが、余韻の残るエンディングを目指して、ぜひとも完走して欲しいところです。
【ゲームクリアー】