□■ top > ゲームレビューの殿堂 > さ行 □■
「機の律動」はカッコ良すぎ。(クリックで画像拡大します) |
ゼノギアス、ゼノサーガを送り出したスタッフが放つRPG。
個人的にゼノシリーズはあまり評価していないので、大して期待していませんでしたが、これは…。
ここまでしっかりと『世界』を作ってくるとは。
見渡すと遠くの建物や「もうひとつの世界」がしっかりと描かれていて、視点をグリグリして遠くを見ることが楽しいです。
そしてこの広大なフィールド。
高いところから落ちて、水をかき分け、そこに足場がある限りどこへでも行ける…。
フィールドには沢山のアイテムが落ちていて、それを拾う形でどんどんと奥へ進んでいけます。
チェックポイントや見渡しのいい場所を見つけると経験値が入り、チェックポイントへはいつでも瞬時に移動出来るので、一度来てしまえば、何度も往復する必要はありません。
突然強い敵が出てきたりしますが、全滅してもチェックポイントへ戻されるだけで、特にペナルティはないです。
もちろん、その強い敵を倒せばご褒美があります。
とにかく、世界を回ることが楽しいです。
ひとつのフィールドでも様々な景観がありますし、天気や時刻によってモンスターも変化します。
そのモンスターも同じ種類同士で群れを作っていたりして、この世界に生息している感じが出ています。
広大な平原、雪山、湿原、ジャングルなど、それぞれのフィールドがしっかりと作られているので、それを踏破する楽しみ、そして「次はどんな世界が待っているんだろうか?」というワクワク感がたまりません。
FC時代からRPGが好きでしたが、これこそRPGの進化形であり、ひとつの到達点と言えるでしょう。
当時のゲームを思い起こすと、感慨深いものがあります。
脳内で補完していた世界が目の前に広がっていて、そこを自由に歩き回れるのですから…。
ただ、世界があまりにも広いので、正直言って少し疲れてしまいます。
なので、街はもうちょっとコンパクトにしても良かったと思います。
そうすれば、メリハリがついてフィールドの広大さがより生きたのではないでしょうか。
それと、町人は24時間のタイムスケジュールが設定されているので、クエスト(ストーリーとは関係ないサブイベント)をこなしている際、どの時間にどこにいるかを把握するのが面倒です。
クエストが大量にあるのは良いのですが、時限クエストは無しにして欲しかったです。
受注した時点で判別できるし、時限クエスト自体、展開上仕方ない部分に限られていて、考慮されているのは分かります。
ただ、それでももう一工夫して、全てのクエストを時限なしにして欲しかったです。
次の展開が気になる場面でも、時限クエストが残っているとなかなか先に進めません。
しかも結構な数があるので、ダレてしまうんですよね。
この点は自分で自分の首を締めてしまって、実にもったいないです。
やりたい時に出来るサブなものに徹して欲しかったです。
ただ、クエストをほぼやり尽くすと、街の広さや住人のタイムスケジュールも容認できるようになるんですよね。
住人をストーキングしたり、キズナグラム(住人や仲間同士の繋がりを表した図)を見て住人の繋がりを眺めると、ここまで作り込んでいるのかと、半ば呆れてしまうほどです。
で、だからこそ、終盤にキズナグラムを見ると切なくなってしまいます。
似た様なイベントがあるゲームは少なくありませんが、こうしてプレイヤーの心に訴えかける作品は初めてでした。
さて、ここらで難点を挙げますと、まず、装備品が見た目に反映されるのですが、ハッキリ言ってカッコ悪のが多いです。
イベントもその姿で展開されるので、強さよりも見た目重視で装備をしていました。
しかも、カッコいいのを選ぶのではなく、無難なのを選ぶという消去法だったのが残念です。
あとは、仲間キャラのモデリングがイマイチです。
敵キャラはかなり良い感じなんですが、それと比べると粗くて崩れた感じがどうしてもしてしまいます。
ただ、この粗さが良い方に出ている場面もあります。
旅立ちのきっかけとなるイベントがあるのですが、それがとにかく熱いです。
怒りや絶望といった極限の感情を表現するのに、「崩れたモデリング」が説得力を持たせています。
これが整った顔だったら、ここまで心を揺さぶられることはなかったでしょう。
とにかくこのイベントが熱くて、一気にゼノブレイドの世界に引き込まれました。
そして、巨神脚のフィールドに出たときに完全にノックアウトされました。
この序盤の流れが抜群に上手いですね。
因縁の相手である「黒い顔つき」と対峙する時の音楽も良いんですよね。
この曲がかかるとゾクゾクします。
また、「黒い顔つき」ってネーミングも良いです。
黒くて顔がついた機神兵(機械の兵士)だから、黒い顔つき。
ゼノサーガだったら、カタカナの名前をつけてたでしょうね。この辺は成長したなって感じです。
まあ、イベントシーンでのキャラのモーションの貧弱さはゼノサーガ3を思い出させるし、クエストのお使いぶりはゼノサーガ2、バテン・カイトス2を思い出したりして、モノリスらしさは感じちゃいましたけども。
イベントに限らず、音楽は全般的に良いですね。(サントラを買いました。)
特に戦闘でピンチになったり、そこから抜けだすと曲が変わるので、こちらのテンションも上がります。
各フィールドもそれぞれにあった曲ですし、世界が変わってからの戦闘曲が一押しです。
その戦闘は、フィールドを歩いていてシームレスで始まるので、待たされる感じが無いのがいいです。
散策が楽しい作品なので、いちいち切り替わるとストレスになっていたでしょう。
戦闘自体は深く考えなくても進めますが、理解してくると強い敵にも渡り合えるようになるので、なかなか奥が深いシステムと言えます。
また、戦闘関連で付け加えると、未来視(主人公に未来を予見する能力がある)というストーリー上の設定を上手くシステムに絡めています。
・戦闘でやられそうな時に相手の行動が分かる。
・アイテム入手時にクエストで必要になるアイテムが分かる。
回避策を取らないと確実に危機が来るのが分かるのは新鮮です。もちろん、常に回避策があるわけではありません。
それに、どのアイテムが必要か分かるのは、今までありそうでなかった、全ユーザが欲しかったシステムと言えます。
もちろん、必要になるアイテム全てを教えてくれる訳ではありませんが。
長くなっちゃいましたね。
現時点で168時間26分遊んだので、とりとめなく書いてしまいました。
最後まで読んでいただいてありがとございまいした。
【ゲームクリアー】
クリックで画像拡大します |