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東京の大学生、タカヒロの元に一枚の葉書が届く。それには自分の子供の頃の筆跡でSTB(白中探険部)などと書かれていた。
そんな葉書など書いた覚えがないのと同時に、探険部での当時の記憶がすっぽりと抜けていることに気付いた彼は、記憶を取り戻すため、8年ぶりに中学時代を過ごした白ヶ浜を訪れる…といった感じで始まるテキストアドベンチャー。
時折挿入されるノスタルジックなイラストには、とても雰囲気があって良いです。(この画風で全編やって欲しかったですけど。)
立ち絵がアニメーションするのはなかなか新鮮ですし、ムービーが多く、出来も良いです。
台詞はフルボイスで、テキストを表示させない事も選択可能です。つまり、台詞以外のテキストは存在しないので、テンポよく進めることが出来ます。
ゲームを彩る要素はかなり良い感じです。
ただ、テキストアドベンチャーの核となる、ストーリーがもう一歩ですね。
序盤は「何故当時の記憶がないのか」「何が起こったのか」について興味を惹く形で進むのですが、段々と嫌な予感がしてきて、結局はそういうオチか…って感じでした。
もうちょっと、現実的なお話を期待してたんですけどね。
馬鹿げた選択肢を選ばなければ、あっさりとトゥルーエンドなので、ちょっと簡単過ぎるのも…。
それに、クライマックスにかけて明らかに失速しているのが残念です。
終盤はキャラが勝手に推理して話を進めて、プレイヤーは聞いているだけです。「なるほど」と「もう一回説明して」だけの選択肢が続くと悲しくなります。
「馬鹿げた選択肢」からなるバッドエンドも本当に下らないので、コンプリートする気になれなかったです。
キャラに魅力を感じなかったのも、コンプ作業をする気になれなかった大きな要因ですね。
トゥルーエンドまで5時間掛かりませんし、他のエンディングもとりあえず数合わせで作った感じがして、わざわざゲームというメディアで出す意味があったのかな、と思ってしまいました。
普通にアニメとして世に出した方が、より多くの人の目に触れる機会があったんじゃないかと…。
細かいことでは、トゥルーエンドが冗長なのも残念でした。ムービーが終わったところでスタッフロールに直行してくれれば、スパッと終わって、もう少し印象が良くなったのかもしれません。
パッケージイラストにビビビッと来たし、中学時代を回想するって要素に期待してたんですけどね。ちょっと残念でした。
【ゲームクリアー:達成度53%程度】