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FFで有名な坂口博信さんが、FF5以来のディレクターを務めたRPG。
「FF13みたいだな」と言うのが、中盤まで遊んだ正直な感想です。
戦闘は面白いんですが、見ているだけのイベントが結構多く、それが終わると自動的にダンジョンに移動し、終わったらまたイベント。決められたレールをなぞっている感じで、冒険している感覚が薄いんですよね。
自由に動き回れるのが「ルリ城」「ルリの町」のみなので、どうしても小じんまりとした印象を拭えませんし、全体マップがないので舞台となる世界が理解しづらく、行ける場所の広がりや、世界が広がっていく感じがしません。
単にダンジョンマップを消費している印象ばかり募ります。
「ルリ島」だけの話ならこれでも良いですが、「帝国」や「グルグ大陸」を出すなら、それらを感じられるようにしないといけないでしょう。
先に中盤までの感想と書きましたが、後半は面白かったです。
戦闘の面白さが、不満点を忘れさせてくれました。
主人公のみを操作し、「ギャザリング」で敵の注意を引きつけ、味方に魔法を撃ってもらいつつ、殴って倒すのが基本的な流れです。
中盤までは、ギャザリングをして殴るだけのゴリ押しでもすんなりと進みますが、終盤は工夫しないとなかなか勝てません。
障害物を壊したり、隠れたり、仲間に指示を出したり、ボウガンを撃ったり、タイミングよく防御してカウンターを狙ったり、敵のモーションを見て攻撃を避けたり、攻撃自体はオートですが、アクション要素も要求されます。
他にも、味方の放った魔法サークルに留まって魔法剣で戦うか、魔法サークルを拡散して別の効果を発生させるかなど、実に様々な立ち回りで戦闘を進めて行きます。
終盤のボスは手ごわく、本当に何度もやられました。
でも、レベル上げではなく、立ち回り方で打開したので、上達した事を実感できて嬉しかったです。
(もちろんRPGですので、レベルさえ上げればいつかは勝てるようになると思います。)
戦闘の楽しさは終盤になるに連れてドンドンと加速していくので、クリア後にあまり遊べる要素がないのが残念ですね。
(強さ等を引き継いだ2周目もあります。)
以下、その他感想を箇条書きで。
「新たなRPGを求めて」と銘打ち、「社長が訊く」を読んで期待が高まっていたので、ちょっと期待しすぎた分、肩透かしを食らった感はあります。
「新たなRPG」の部分に期待していたので、FF13っぽさは残念に思いました。私がRPGに求めているのは「魅せる」よりも「切り開く」事ですから。
ただ、従来のRPGとしては十分楽しめます。
最近のRPGはプレイ時間の水増し要素が大量に詰め込まれる中、ゲームの本筋で直球勝負してくれたのは好感が持てます。
ダンジョンの道中で色々会話をしたりして、仲間をとても魅力的に感じましたが、あまり掘り下げられなかったのが勿体無いです。
なので、続編に期待したいです。神獣の話なんかは中途半端ですし、今回、世界を描かなかった事で、いくらでも続編が作れそうな気がします。
今度は彼らと世界を巡る「新しいRPG」を…。
【ゲームクリアー】
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