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昭和58年6月。東京から寒村の雛見沢村へと引っ越して来た、前原圭一と両親の三人家族。
周囲に恵まれ、田舎暮らしを気に入った圭一だが、この村には秘密があった…。
…という出だしのテキストアドベンチャー。
PC版の移植のようですが、未プレイなので比較はできません。
システム面は快適そのもので、文字送りのテンポが良く、いつでもセーブ・ロード可能、既読スキップ、チャート、どこからでも再開可能と至れり尽くせりです。
で、面白いですね。これは。
まさかアドベンチャーゲームで80時間も掛かるとは思いもしませんでしたし、ゲーム中盤と終盤で印象がまるで違うのも面白いです。
この流れはまだ終わらんの? → こ、怖すぎィィィ!! → 面白い!そして、真相はいったい… → …こんなトンデモ展開あり?
大まかに言うと、こんな感じでした。
ハッキリ言って、序盤はかなり退屈ですね。
いかにもギャルゲーっぽい流れや登場人物で面食らいましたし、物語が動き出すまでが長い!
一度読めばスキップできるし、後々に絡んでくるのは分かりますが、いくらなんでも長すぎますわな。
…とまあ、ダレてくるのですが、動き始めると面白くてたまらないです。
何と言っても、あの怖さ!
チビリそうになる怖さ!
瞬発力のある怖さ!
たくさんのホラー映画を見て、ゲームもやりましたが、「昼間で良かった」と思ったのは初めてです。
また、シナリオが複数あることを利用した部分もあり、上手いです。
怖くて面白くて、いったい真相は何なのか。
「今までプレイしたアドベンチャーゲームで最高だぜ!」と思いながら、あの流れにも驚きです。
まあ、最後はともかく、ライターの引き出しの多さには驚きです。
人の内面に潜む怖さだったり、都会の人間が持つ田舎の牧歌的なイメージとその裏側だったり、果てはトンデモSFだったり。
歯磨き粉のチューブを最後の最後まで絞り出して、すっからかんになるまで出し尽くした作品で、「この作者は次回作を作れないだろうな」と思いましたが、普通に出してるみたいですね。
ここまで出して、まだ余力があるのか…。
終盤はトンデモ展開のオンパレードですが、振り返ってみると、それを示唆するエサがあちこちに散りばめられていて、なるほど、これしか有り得ないのか、と納得させられてしまいます。
凄いな…。
ただただ、脱帽です。
ただ、脱帽ではありますが、物語のクライマックスとプレイヤーのそれとが一致しないんですよね。
「罪滅し編」のラストが一番燃える展開ですよね。
そこからトーンダウンしちゃうのが、本当にもったいない!
まあ、あのペースで完走できたら、文句なしに最高のアドベンチャーゲームになってましたね。
それでも、トップクラス…いや、最高クラスの出来には違いないので、時間のある方は是非遊んでみて欲しいです。(長くてパワーを要するので)
序盤の冗長さを耐えれば、どっぷりとひぐらしワールドに浸かっちゃいますよう〜。むっふっふっふ!
【ゲームクリアー:達成率100%】
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