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伝統のシミュレーションRPGが3DSで登場。
DSではリメイクのみだったので、久しぶりの新作となりました。
キャラにボイスが入り、イベントシーンなど演出面が強化され、今風のゲームに仕上がっています。
また、3D表示が自然で目が疲れにくいのも特筆すべき点かと思います。(そんなに「3D感」があるゲームでも無いですけど。)
今作は序盤から盗賊を追ったり、仲間を救出したりと考える場面が多いです。
それに、乗り切るには後述する新システムを使う必要があり、今までのやり方だけでは通用しないのも良いですね。
出し惜しみなしで攻めて来る印象で、自分の「FE力」を試されている感じがして、俄然やる気を掻き立てられました。
過去シリーズの小ネタも満載で、集大成な印象を強く受けます。
さて、その新システムを軽く説明します。
支援効果がある仲間と隣接した状態で戦闘に入ると、命中率や回避率等が上がるのは今まで通りですが、今回は発展系として、仲間が攻撃をガードしてくれたり、追撃をしてくれたりします。もちろん、支援レベルが高いほど確率が高くなります。(これを「デュエル」と言います。)
また、仲間2人を1つのユニットとして扱う「ダブル」にすると、常にデュエル効果が発揮され、さらにダブルされたキャラ(前衛)は能力の底上げがなされます。
ダブルになったユニットはいつでも交代可能なので、アーマーでペガサスナイトにダブルし、ペガサスナイトで移動、アーマーにチェンジして攻撃、といった事も可能です。
かつて騎馬系ユニットで仲間を担ぐシステムがありましたが、それの発展系と言えますね。
先にもちょろっと述べましたが、この新システム(特にダブル)を使うことを前提としたマップデザインがなされているので、強めの敵がガンガン攻めてきて、難易度は高めと言えます。
シナリオマップで弱いキャラを育成する余裕がありませんでしたね。(フリーマップもあるので、育成自体は可能です。)
数え切れないほどリセットしましたが、理不尽とは思いませんでした。
やられる時は大抵こちらの配置ミスだったり、出し惜しみだったり、育成させようとする色気だったりするので、それを一つひとつ修正していくことで着実に前進出来ます。
この前進していく感じが、このシリーズの大きな楽しみで、「やっぱりFEって楽しいな」と感じさせてくれます。
また、ユーザーインタフェースの面で不満を全く感じさせないのは凄いです。
敵のターンをまるっとスキップできたり、戦闘毎で早送り、スキップができるし、もちろんソフトリセットもあります。
長時間遊ぶゲームだけに、この辺の作りに抜かりがないのは素晴らしいことです。
それと、今作は何度でもクラスチェンジして気が済むまで育成可能なので、成長率に一喜一憂しなくて済みます。
各キャラの成長率自体、昔と比べると大分良くなりましたしね…。
と、この様に、遊んで楽しいし、満足できるのですが、気になる点が無いわけでもありません。
今作はキャラ同士の結婚や子供ユニットも登場しますが、親子世代を同時に使いたいという都合だけで、ストーリー展開上、物凄く安易に済ませているのはどうかと思います。
「ナーガ様の力」で全て解決するのはどうなのかと…。
まあ、それは目をつぶっても、異なる時空や、そのキャラクターがどうなったかを描くのが当然だと思います。エンディングで言及がなくてビックリしました。(結婚の有無、相手によって違うのだろうか…)
この辺は、システムを固めて、ストーリーは二の次という任天堂らしさが悪い方に出ています。
ただ、その結婚システムも、結婚しようがしまいがゲーム内容に変化がないし、プレイヤーの萌え欲求に応える以上の価値があったとは思えません。
こういう萌え要素って、プレイヤーが勝手に想像するもので、ゲームサイドから媚を売るのはどうかと思います。
もちろん、萌え要素を全否定しているのではなく、プレイヤーの想像力を刺激するレベルで留めておくべきだと。
私の考えが古いのかな…。
一応、カップリングによって、子供のスキルや兵種を考慮して最強キャラを作る要素もありますが、それを披露する場がないですし…。
シミュレーションRPGとしてかなり面白いので、それで直球勝負して欲しかったです。
それだけではやっていけないご時世なのも分かりますが、古くからのファンとしては、ユーザーに迎合する姿を見たくない…。
有料DLCの内容も「ん~~」と思ってしまいますし…。
重ねて言いますが、シミュレーションRPGとしてはかなり面白いです。
また、今回は「出しきった」感じを受けるので、次回作が出るのは先になるんじゃないかな、と予想します。
【ゲームクリアー:クラシックモード、難易度ハード】