フロントミッション4　PS2

ヴァンツァーと呼ばれるロボットを駆って戦う人気シミュレーションRPGの第4作。プレイステーション2では初めての登場となります。

このシリーズ、ヴァンツァーを自分なりにセットアップできるのが魅力の一つですが、そのせいか今までのシリーズでは、どのマシンも同じセッティングになり、マシンごとに特徴をつけ辛かった(必要性が無かった)のですが、今回はパイロットごとに覚えるスキルがかなり違ってくる事と、パーツの種類が増えたことにより、必然的にマシンが特徴づけられることになります。

また、今作は攻撃を連携させる「リンクシステム」が導入され、一度の戦闘で複数ユニットが行動するケースがあります。それにより、配置や行動順に気をつけるようになって、マップ攻略の面白みが断然高まっています。

正直、過去シリーズは力技で進める感じで戦略が必要なく、マップも単調な物が多かったのですが、今回は特定キャラ生存や離脱する敵を追う面など、ステージもバラエティに富んでいます。この辺は、過去シリーズがだらしな過ぎただけで、ようやく他のS・RPGに近づいてきたという方が正しいのかもしれません。

まあ、何はともあれ、シミュレーションゲームとして格段の進歩を遂げていると言えるでしょう。純粋に面白くなっています。特にリンクシステムの採用が大きいですね。

ゲームとしてはかなり面白くなっているのですが、まだまだ改善すべき点は残っています。
まず、マップ全体が把握しづらいのが困ります。市街地マップが多く、目標物を設置しづらいことと、無駄に(？)広いので、全体の把握が難しいです。戦闘開始前にぐるっと見渡せるとか、簡易マップをつけるなどすれば緩和できたでしょうに、残念です。(追記：セレクトを押すことで簡易マップが表示されます。説明書読まないといけませんね…失礼しました。)
ちなみに、この町並みは南米・欧州の町並みが再現されていていい感じです。(行ったこと無いけど(汗))

また、システム面では、何と言っても文字が読みづらいのが参ります。テキスト表示パネルとテキストの色が近く、また暗いのでかなり読みづらいです。今までやったゲームで最悪ランクです。設定で変えることも出来ず、キャラの音声も英語なので、文字を読む助けになっていません。
この辺は完全に制作者の押し付けで、いまだにこんなゲームが製品化されるとは驚きでした。
ゲーム自体はいい出来なのに、最初の印象で遊んでもらえない可能性がある(っていうか高い)のは非常に問題です。制作者の自由に作らせるのではなく、しっかりとした製品管理をして頂かないと困ります。

さて、お話的には2人の主人公(部隊)を交互に操作して進めていくのですが、彼らに接点が少なく、ゲーム全体の流れが印象に残り辛くなっているのが惜しいところです。また、最近のゲームにしてはステージ数が少なめな感もありますが、一つ一つの密度が濃くなっていますので、物足りないということはありませんでした。

細かい演出では、雨の表現の仕方が面白くていい感じですね。

改善すべき余地をまだまだ残していますが、ゲームとしてはかなり面白く進歩していますので、今後の同シリーズに期待したいです。
【2回クリアー】