□■ top > ゲームレビューの殿堂 > は行 □■

☆投稿する☆

ファイナルファンタジータクティクス アドバンス GBA


シミュレーションRPGとして、初めて100万本を売り上げたPS作品のGBA版。
と言ってもストーリーや舞台の繋がりはありません。システム的には大体同じです。
現代を舞台に、小学生?の主人公ら友人三人が「ファイナルファンタジー」という古びた本を手に取ると、そこには…といった感じに始まり、アドバンスということで、対象年齢を下げた作りになっています。ストーリーに分岐はありません(多分)。
主人公はクランと呼ばれるチームを組んで、ギルド(仲介所)に出されたクエスト(依頼)をこなすことでゲームを進めていきます。

導入部にかなり大きなイベントがあるのですが、それに続くストーリーの動きがなく、しばらくは地道にクエストをこなしていくだけなのは、ちょっとモチベーションが上がらなかったですね。
ですが、中盤以降、ストーリーも動いてきて、ゲームのシステムを理解してくると俄然楽しくなってきます。

何が楽しいかって、このゲームの楽しさは何と言ってもキャラ育成とクエストクリアに尽きます。

キャラは戦闘に参加することでアビリティポイント(職業経験値)を獲得し、「ケアル」や「盗む」といったアビリティを覚えていきます。アビリティを覚えることで新たな職業に就いたり、組み合わせ(パラディンに黒魔法など)をやりくり出来るようになります。
前作でオマケ程度に過ぎなかったクエストですが、今回はこれをこなしていくことがメインの流れになり、その数も膨大な物になっています。一つひとつは短いので、携帯機でコツコツ遊ぶのに適してますね。

このゲーム、人間やモーグリといった種族が5種類あり、それぞれに違った職業・アビリティをマスターしていき、膨大なクエストを地道にクリアしていくことで、まさに空白だった地図を少しずつ埋めていく楽しみが得られます。

ただ、クエスト専用アイテムの持てる数に制限があり、普通に進めていくとどれかを捨てなくてはならなくなります。このクエストアイテムは、新たなクエストに必要になったりするのですが、その取捨選択は情報を知っていないとお手上げで、捨てた後に「必要とか言われても、もう捨てちゃったよ…」という事もありました。
クリアに支障は無いのですが、"やり込み系"のゲームだけに、途中で完全を目指せなくなるのはモチベーションが下がります。
この点がこのゲームの最大の難点でしょう。

また、このゲームは「ジャッジシステム」というシステムを採用しています。
バトルに「ジャッジ」と呼ばれる審判が存在し、「ロウ」という決まりを破るとレッドカードやイエローカードを食らいます。その効果はサッカーのそれと大体同じです。
「ロウ」には「技禁止」「ダメージ50以上禁止」などがあり、当然敵にも適用されるので、その辺を考えながらアビリティをセッティングしたりするのも新鮮ですし、このゲームの世界観にマッチしているので違和感もありません。
「ロウ」は日によって変わり、何が適用されるか事前に知ることが出来る上、調整も可能ですので、そんなに神経質になる必要はありません。
この「ロウ」は、「~禁止」のみなのが残念です。縛りがあること自体は色々考えたり出来て楽しいのですが、アメとムチのアメの部分がなかったのがもったいなく感じます。

全体的に難易度は高くなく、この手のゲームが好きな人はすんなりと遊ぶことが出来ると思います。ストーリー的にも、終盤の主人公の心の動きなんかもよく描かれています。敵を囲んで「盗む」で身包み剥いでいるときに、「前作も銃を盗んだりして、同じようなことやってたなぁ」と懐かしくなりました。
ただまあ、S・RPGとしては面白いが、松野作品としては、かなり物足りないというのが正直なところです。
【ゲームクリアー】

□■ top > ゲームレビューの殿堂 > は行 □■

☆投稿する☆

◆SFC DATA

◆私のゲーム紹介