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トライエース開発のRPG。
アクション性のある戦闘に、アイテムクリエイション(IC)やプライベートイベント(PE)といったシステムなど、ストーリーに星や惑星などが出てこないだけで、スターオーシャンの新作と言って良いでしょう。
今作はシームレスの作りで、マップ上で敵に近づくと、切り替えなしでそのままバトルに突入します。
街などでも、部屋に入っての切り替わりもありません。
通常だと、「シームレスだとテンポ良く進んで良いですね。」となるんですが、このゲームは色々とストレスが貯まります。
まず、マップの広さの割に歩きが少し遅いです。
一応ミニマップが表示されるのですが、その範囲が狭いし、一度歩かないとミニマップも埋まらないので、初見ではあまり意味がありません。
全体マップを見るのにメニューに入らないといけないし、メニュー時に時間が止まらないので、周囲の敵を一掃しないと、落ち着いてマップを見たり、アイテムや装備をいじったり出来ません。
マップが広いのは結構ですが、行けそうで行けない見掛け倒しの部分が結構あります。
また、広い割に面白みのないマップで、歩き回る楽しみがあまり無く、速度が遅いのもあって面倒になります。
移動が徒歩のみなのが、面倒くささに拍車をかけています。
これだけ広いフィールドを歩くゲームなのに、なぜルーラや乗り物を用意しなかったんでしょうか…。
マップ上に鍵のかかった宝箱や壊せる岩などがあって、それぞれ対応したキャラで解除することが出来ます。
ただ、パーティの入れ替えは街中のみなので、該当のキャラを連れていない場合は街まで戻らないといけません。
ただでさえ面倒なゲームなので、当然そんな事はしたくない訳で、自ずとパーティに入れるメンバーの幅が狭まります。
また、ICやPEといったシステムも面倒です。
フィールドではパーティに入れていないとICが出来ないのはもちろん、街だとキャラが勝手に離散しているので、該当のキャラのところまで歩いていかないと、これらのシステムを使えません。
ICはフィールドでやった方が効率的なのですが、高レベルの物は失敗する事があるので、セーブポイントのそばでやる事になります。
フィールドではセーブ出来ない為、自ずと街中でやる事になり、ICで必要なキャラの所まで歩いて行って、その後セーブポイントまで戻ってICスタート。で、失敗したらリロード、と非常に面倒です…。
セーブポイントで思い出しましたが、このゲームはセーブポイントが少ないです。
中断セーブも出来ないので、長時間空いていないとなかなか遊べません。
携帯機が主流になっている中、未だにこんな作りで世に出すとは…。
こんなんだから、ますます据え置き機から客足が遠ざかるって事になぜ気付かないんでしょうか??
さて、PEはいわゆるお使いですが、こちらも該当のキャラを連れていないと発生しないので、まずはそのキャラを連れ回すことから始まります。
しかもイベントはほぼノーヒントなので、情報を知っていないと駄目です。更にほぼ全てが期間限定です。
一体、制作者は何がしたかったのでしょうか?
プレイ時間の水増しにしても、中身がなさすぎます。
第一、(このゲームに限らず)プレイ時間を水増しする事に何の意味があるのでしょうか?
別にダラダラと長時間遊ぶ為、ゲームをするんじゃないんですけど。
他にも気になる部分は本当にまだまだあるんですが、疲れるのでこれ以上はやめておきます。
ここまでボロクソに書くと、どうしようもないゲームに見えますが、個人的には好きです。
従来のRPGではイベントで済ませてきた、竜の炎から逃げたり、敵の追撃からの脱出、城の攻防戦などをしっかりと体験できますし、他にも複数パーティの進軍など、今までは表現したくても出来なかった、マシンのスペックを生かした要素に、これからのRPGの方向性を感じました。
ただ、こうした要素は序盤に集中していて、中盤以降はあまり見所がなかったのも残念な所です。
主人公のフルートがイマイチ絡んでこなかったし、序盤の竜の守り神みたいのが他にもいるのかと思いきや、思いっきり肩透かしに終わったり、何と言うか、開発の途中で息切れしちゃったんじゃないかと、そんな感じを受けてしいました。
個々のギミックには光る所がいくつもあって、上手くまとめ上げれば傑作へと昇華し、これからのRPGの指針になるべく資質を持ったゲームだった思います。
それだけに残念ですわ。
勿体無い。本当に勿体無い…。
【ゲームクリアー:イセリア・クイーン撃破】
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