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DS初期に「アナザーコード」を開発したCING制作のアドベンチャーゲーム。
この前作とつながりはありませんが、操作方法が似ているので、経験者はすんなりと入っていけるのでは。
今回はDSを縦持ちし、左右の画面で登場人物が会話を展開します。
アドベンチャーゲームとして、なかなか上手い作りに感じました。
この持ち方だとボタン操作がほぼ無理になり、この作品もタッチペンオンリー操作です。また、縦持ちは意外と疲れるので、長時間プレイには向かない感じですね。
この作品の大きな特徴はキャラクターのタッチで、漫画の様に白黒に描かれ、影がゆらゆらと動く手法を採っています。
オヤジが主人公であり、ハードボイルドな雰囲気を出すのに一役買っていて、この作品にはマッチしていると思います。
話としては、ある理由で刑事を辞めた男が、仕事先でホテルに泊まる。
そこはアドベンチャーゲーム、何も起らない筈は無く…。
生理的に受け付けないとか、そういったシーンはありませんのでご安心ください。
主人公が昔の頑固オヤジ風で、子供に「チビ」を連呼して全く媚びないのは新鮮でしたね。
ただ、その割りに他人に首を突っ込みたがるのには、違和感があります。
(まあ、他人に全く干渉しない主人公じゃ、話が成り立ちませんけどね。)
あと、いろいろと偶然が過ぎる部分が多いですが、まあ、そこは多めに見るポイント…ですかね。
ストーリーはメインの話の進展が遅く、終盤までハッキリ言って退屈です。
もちろん、サブのエピソードがメインに絡んでくるのですが、それでも弱いですね。終盤はいい感じで盛り上がってくるんですが、途中で興味をなくしてしまう可能性があるのが残念です。
アナザーコードでもそうでしたが、制作者は演出をもっと学ばないと駄目でしょう。
おいしいところをとっておきたいのは分りますが、ゲームは映画などと違って、見ているだけでは進んでくれません。
序盤からプレイヤーを引っ張り込む努力をしないと。
返す返すも、中盤までの流れが勿体無いですね。メインストーリーは悪くないし、終盤は盛り上がるだけに…。
操作面では、もうちょっと移動速度が早くても良かったですね。
惜しい作品という印象ですが、雰囲気は良いし、続編を出すのも可能な展開なので、次回作が出たら期待したいです。
【ゲームクリアー】