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ロールプレイング 1994年7月29日発売 日本テレネット
極めてオーソドックスな真面目なRPGです。
片田舎の鍛冶屋の息子として生まれた少年。そんな彼が、村に訪れた旅芸人一座の少女に出会った事から始まるファンタジックストーリー、といった所でしょうか。
色々個別に述べていきますと、まず、音楽はいい曲も少なくありません。個人的には神殿や箱船、最後のボスの音楽が気に入ってます。
次にグラフィックは劇画調?で、全体的にRPGツクールに出てきそうな感じの絵です。発売時期から考えても若干パッとしない感じですね。また、フィールドでキャラクターに表情というか、顔のパーツがなく、のっぺらぼうなのが寂しいです。
見た目には少々物足りない点もありますが、いざ遊んでみるとかなりの親切設計で遊びやすくなっています。
まず、移動スピードが速く、しかもRPGでは珍しく斜め移動が出来まして、移動に関してはストレスが溜まりません。また、フィールド上にも立て札がかなり多く立ててありますし、「メモ」コマンドにて、次に何をすればいいのかを教えてくれるので迷う事はまずありません。
まさしく、かゆい所に手が届く、至れり尽くせりなのですが、これらがかえって簡単すぎる、と映ってしまうきらいもあります。
あと、システム面で続けると、メガテンの様に戦闘で敵と交渉する事ができます。ですが私は全く交渉をしませんでした。交渉する事によって何かメリットがあるかとは思うのですが、特に交渉をする必要性を感じなかったので全く無視して進めていってしまいました。この辺は私が悪いのかシステムが今一歩作り込まれていないのかは判断しかねます。
戦闘に関して続けると、敵の行動パターンが、攻撃・防御・魔法しかないのはどうかと思います。ボスキャラもこれに該当し、ボスが防御するのは空しい感じがします。せめて、火ぐらい吐いてくる敵がいるのが普通かと思いますが…。
また、敵・味方共に攻撃ミスが多すぎます。スカスカとミスをし合っているのはこれまた空しいです。
あと、演出面でも少し地味な感じがします。例えば、重要なアイテムを手に入れた時など普通は効果音が鳴ったりするもんですが、このゲームでは淡々とメッセージが流れるだけです。確かこのゲームには、戦闘シーン以外で効果音は存在しなかったように思います。
このようにゲームとしては(特に戦闘において)、きちんと作られているとは思えません。
が、会話の台詞回しには、非凡な物を感じます。お店の人の会話はとても楽しいですし(特に、宿屋のおばさんの「家庭的な宿だよ」という台詞には笑いました。)、台詞の至る所で光るものを感じる事が出来たような気がしました。
例を挙げると、石化してしまったキャラクターに話し掛けると、「石像になってしまったクラーナは何も答えなかった」と返ってくる点があります。今までは、「○○は石像になっている!」とかだったと思うんです。まあ、そうでなくとも、なんとなく文章が私の感覚にあっている、不思議な魅力がありました。
台詞回しがとても上手いので、テレビドラマの様にキャラクターの心の動きを、実に上手く描いているといえます。このゲームの1番の素晴らしい所はやはりこの台詞回しで、単調になりやすいゲームのキャラクターに深みを持たせていると思います。(少し誉め過ぎたかな?)
ストーリーも王道を行ってますが、きちんと筋が通ってますし、途中でのちょっとした話が最後に絡んでくる所もあり、上手く作られているといっていいと思います。
ゲームとしての全体的な印象は、かなり親切設計で戦闘も単調ですので、簡単な部類に入ると思います。
ですが、後半のダンジョンはボリュームがあってやりがいがありますし、最後のダンジョンは長くて「FF3」みたいです。…と、そこまで言ったらやっぱり言い過ぎですかね。
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