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エストポリス伝記II

ロールプレイング      1995年2月24日発売   タイトー


前作のオ-プニングで語られた300年前の物語が、今作のクライマックスという繋がりを持ったRPG。
その他にも、プリフィアの花のエピソードなど、ちょっとしたつながりが嬉しかったりします。

前作はドラクエ型のオーソドックスなRPGだったのですが、今作はダンジョンがゼルダのようにアイテムを使ってトリックを解いていく形で、敵もロマサガのようにシルエットと接触することで戦闘する形に変わりました。

この変更は大成功といえるでしょう。
トリックはパズル的な要素が強く、やり応えがありますし、敵シルエットを矢などで痺れさせておけば戦闘を回避可能で、トリックに集中できるのも非常にいいです。

また、前作にあった「古の洞窟」も今回は「トルネコ式」のランダム生成ダンジョンで、99階までのボリュームになってやり応え満点です。ここでしか手に入らないアイテムも多く、ストーリーを忘れる程はまりました。

このゲームを一言で言ってしまうと、「オリジナリティは無いけど、面白いんだからしょうがない!」ってところでしょうか。
ただ、独自の要素は薄くとも、いろんなゲームの良い所をこの作品の中で「エスト風」にアレンジしている点は見逃せません。

ダンジョン内の敵はロマサガみたいに大量にいないですし、RPGで「容易に戦闘を回避できる」という点は英断だと言えます。
また、敵シルエットの種類も豊富で、動きにもそれぞれ特徴があります。
そして、「トルネコ式」の古の洞窟も、ダンジョン内の青い宝箱以外は持ち込み、持ち帰り不可というのも良く出来たシステムだと思います。

で、古の洞窟同様、前作にもあったドラゴンエッグは今作では使い勝手が良くなりました。
というか、前作はもう一度探すには、あまりに宝箱が多すぎたので…

また、ダメージを受けることによって蓄積されたポイントで、装備品の必殺技が使用できる「IPシステム」は、戦闘の大きなウェイト占め、非常に戦略的に工夫し甲斐のあるシステムと言えます。このシステムのおかげで、古の洞窟や対エッグドラゴン等、とてもやり込み甲斐のある作品になっています。
他にもカプセルモンスターなど、前作からかなりパワーアップした素晴らしい出来になっています。
ストーリー的にも、今作は敵対するキャラクターがちょくちょく出てくるので、大きな目的を忘れることなく旅をすることが出来ます。

この作品は音楽の出来も良いです。
虚空島やボス戦、ラストなどプレイヤーのやる気をそそる音楽が凄く良く出来ていると思います。

っと、ここまで良い面ばかり述べてきたので(実際良いゲームです)、ここらで少し気になった点を挙げますと、まず、フィールドマップが貧弱です。
ダンジョンの出来が良いだけに、フィールドの単調さ・簡単さが気になってしまいます。
次の目的地にあっさり着きすぎるんですよね。もうちょっと冒険させて欲しいところです。

次にストーリーのことで、主人公の幼馴染の扱いが、なんか簡単に扱いすぎていると思えてしまいます。
主人公は特別な存在だということは分かりますが、「それにしても、う~ん」って感じです。まあ、エンディングでそれなりの扱いで登場したところで救われましたが。

あとは、ディオス戦の音楽は他と変えて欲しかったですね。はい。


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