シミュレーション 1995年12月22日発売 バンプレスト
もともと「1」がPC98の作品で、そういえばセガサターンやプレステでもシリーズが発売されていたんだから、結構人気なシリーズだったと思われる・・・が、
明らかに1よりクオリティが低い。
ステージ数は同じ。
「破亡の舞」と呼ばれる舞の踊り手であるヒロインとその恋人(主人公)が、踊りの力を利用しようと企む悪の手先から逃げる、というオープニング。
間もなく知り合いの獣人が仲間になる。どんな関係だ。
前作同様敵に血縁がいるのは勿論、今回の主人公は記憶喪失にもなる。
システムもそれほど変わりは無いが、前作よりもフォントが大きくなった。
大きくなったのはありがたいが、ウィンドウが小さくなった。
セリフが多くなるとテンポが悪い。
舞台が「1」の20年後なので、引き継いで登場するキャラもいる。
一部は飛びぬけて強いキャラとして戦ってくれるのだが、女性キャラ含め全員40歳手前になるのが、なんとも切ない。
なかには囚われの身になっていて、主人公達に救出されるだけのキャラもいる。
メガネっ娘が関西弁をしゃべるのは、もう、なんていうか、このジャンルでは珍しいあざとさである。
彼女と男性キャラの一人が、エンディングで脈絡無くくっつくのは、続編への軌跡だったんだろうか。
キャラグラフィックは悪くは無いものの、一人だけ口の形が▽なのが気になる。
もう少し緊張感を持っていただきたい。
音楽は・・・「1」の方が雰囲気の良い曲が多かったかな・・・。
難易度がけっこう上がっているので、前作からやりましょう。
AKMachineさんのレビューに補足させてもらう形で具体的な1からの劣化点を
まず一番気になったのはキャラにカーソルを合わせてもHPが表示されなくなり、ステータス画面を一人ずつ見る必要があるようになったこと。1ではカーソルを合わせただけで下にHPが表示されていた。
続編で余計な要素を付けるのはよくある話だが、何故1にあった機能を削除したのか疑問。
敵が変に強い(味方が弱い?)。レベル10の味方がレベル5の敵に一撃で殺されたりする。結構レベル上げたつもりの主人公でも2.3発連続で攻撃されるとすぐ死ぬ。
また回避がやたら多く、いわゆる斧使いの鈍足キャラの攻撃などはまじんのオノでも使ってるのかと思うほど外れる。
中盤で主人公の兄弟子である剣士が出てくるが、こいつの回避率が異常で、主人公を含む物理攻撃系キャラの攻撃がほとんど当たらない。しかしこいつ自身は遠距離攻撃ができず、また移動もしないため、逆に遠距離から魔法で攻撃できるキャラには何もできずにフルボッコにされる。挙句そうやって倒されたあとに吐く台詞が「腕を挙げたな・・・リアド(主人公)」。正直失笑もの。
ゲーム全体のやりたかったことに対して敵のステータス等の設定がガバガバなのは火を見るより明らか。
こういった敵の強さ・味方の弱さに対するストレスは1にはなかった。かといって1の難易度が低くてつまらなかったわけではない。
戦闘シーンも若干3DCGっぽくなっており、造形に違和感のあるキャラも。1のデフォルメされたアニメチックな可愛さがあまりなくなっている。また敵味方含め攻撃する前に無駄なモーションが多く、テンポもやけに悪い。テンポの良かった1をプレイした後だと尚のこと「いいから早く攻撃しろよ」と思うこと請け合い。
AKMachineさんも言ってるが、口の形が▽で常に笑っている顔グラの女性キャラが出てくるが、その女の初登場台詞が敵に襲われて「キャーたすけてー」。表示されている顔グラが笑顔なので最初見たときはそういうふざけたキャラなのかと思った。
また男勝りで少々乱暴な口調の女の子が出てくるが、その顔グラもあまり男勝りっぽくなく、むしろクールで落ち着いた印象。
前作からのキャラである「おゆきちゃん」という雪の精霊が登場したとき、同じく前作からのキャラであるカイが「おゆきちゃんじゃないか」「20年前ともに戦ったのです」と懐かしむ台詞を言うのだが、1のストーリー上カイとおゆきちゃんはパーティ加入脱退時期の関係ですれ違っており、ともに戦うどころか会ったこともない。雪の精霊という設定から考えてその後知り合ったという解釈にも無理がある。
ドカティが言うなら辻褄が合ったのに・・・。
1に出てきたランティアの息子であるケイリナスの弱さにイラついていたが、よく考えると1でもランティアの弱さにイラついていたので、これはある意味前作を踏襲したうなずける設定と言えなくもない。
・ストーリー
○序盤にいきなり異種族キャラが出てきて、主人公と既に顔見知りという体で話が進む
○何かにつけてケイナリス任せ
○ともに戦った(わけない)、カイとおゆきちゃん
○一話中で「記憶喪失」→「記憶戻った!」となる主人公
○中盤で仲間になる色気振りまくりな(いかにも)怪しいキャラは終盤、唐突に真面目化して死ぬ
○エンディングでは本編で接点が全く無かったキャラ同士が(唐突に)カップル+αになっている
(しかも、あの表現で何故「心を射止めた」となるのか……。どう見ても泣き落としでは……?)
…といった具合に、プレイヤー置いてきぼりなシーンやツッコミどころが多々あります。
1話でワーウルフが出てきた際の会話で「なんか雑すぎるなー」とは感じていましたが、最後までこの調子というのは……。
同じ1話でも前作は主人公達の人となりや状況が充分に理解できたのですが。
・戦闘バランス
酷いとしか言いようがありません。
中盤に差し掛かる辺りからどのキャラも2回攻撃食らうと落ちるくらい極端なバランスです。
下手したら防御・魔法防御が高くても一撃で落ちることもザラなので、結局は回復魔法で回復・蘇生しつつゴリ押しする方向に。
最終的には初期能力が高く成長率も高めな射程2攻撃役&ドラゴンマスター・雪の精霊と回復魔法を使えるユニットしか使い物にならなくなります。
(主人公は他のユニットで壁作って囮役。余裕ある時にトドメ刺したり、最終面に備えてドーピングで育てるぐらい)
前作にあった槍・斧の間接攻撃&バードの再行動が無くなり、物理間接攻撃の使い手の加入が遅すぎて(その一方で射程1ユニットはボコボコ増える)、加入順序や兵種バランスも悪いです。
特に弓兵や射程2の回復キャラは普通なら序盤?中盤までに1人は仲間になるところなのに……。
アーマーナイトのように見た目鈍重そうな奴ですら中盤以降の素早さは20とか30とか当たり前で、素早さが低いユニットはろくに攻撃を当てられなくなってきますが、こんな有様にもかかわらず嫌がらせのように成長率が低いキャラや永久離脱するキャラがいます。
自分のプレイだとクラウス・アルタバ・ナイト2人は成長率低すぎて使えなかったので、序盤過ぎた辺りからは操作せず放置してました。
シフィル(と、使い勝手良かったリギット)はCC前に育てると損。
サークルスは剣と射程2回復を使える飛行ユニットというオンリーワンの性能なのに永久離脱。
アルデナーラは移動4の時点で使いものにならないし、最終話直前に離脱。
改めてみると前作以上に罠キャラ多いなあ……。
(前作は4人永久離脱するけど、前半のラスボスを倒した後に離脱する分まだマシかなと思える)
それと、最終面で僧侶&召喚師が戦場から遠く離れたところに配置されるのが嫌がらせっぽく感じます。
(ちなみにこのステージに限らず、ボスよりも雑魚の方が面倒だったりします)
・システム関連
スピード感溢れる戦闘アニメや一括表示のレベルアップ画面の存在で全体的にスピーディだった前作に対して、本作の戦闘画面は非常にもっさりしています。
マップからの切り替わりも目に見えて遅く、攻撃・回復の予備動作が長すぎる(特に飛行系・召喚系が顕著)。
レベルアップ時の能力上昇時やアイテム・ゴールド入手時にその都度メッセージが流れるため、1回の戦闘にかかる時間が長くてダレます。
フィールド画面では平地・床といった(一般的なSRPGなら1消費で済む)地形ですら1歩ごとに2消費するという謎仕様。
マップも無駄に広い&歩きにくい地形が多すぎて移動に時間がかかるのに、前作にあった集合コマンドが無くなっているのが不便すぎます。
また行動終了するとアイテムメニューが開けないため、一度ターン終了しないと売却できなくなったのも地味にストレス。
(前作は行動終了しても武器メニューから売却できた)
後はああああさんも仰っていますが、HPの確認が面倒になったのはいただけない(特定のボタンを2回押す必要がある。しかも前作のようにメンバーのHPを一括確認できる機能も無い)。
わざわざステータス開かなくても確認できるのが良かったのに……。
前作より良くなった点はターン終了時に選択肢が出なくなったのと、武器の装備や会話シーンで画面が切り替わらなくなったことくらい。
……ただ、メッセージはフォントを大きくしておきながらウインドウを小さくしているので「どんな判断だ」と思わずにはいられませんでした。
メッセージがちょくちょく変なところで途切れるので落ち着かないです。
長くなりましたが、本作は はっきり言って「これが続編なのか?」と疑問を抱いてしまう出来でした。
理不尽な難易度なので、前作未プレイ者にもおすすめできないですね……。