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ドラゴンクエストV 天空の花嫁

ロールプレイング      1992年9月27日発売   エニックス

もうすぐPS2でリメイクされる、SFCではじめてのドラゴンクエスト。
ひとりの少年が大人になっていくさま、文字通り成長を描いた物語が展開されます。彼はドラクエ史上、もっとも過酷な運命をたどった主人公ではないでしょうか。
また、今作では倒したモンスターを仲間に出来るシステムが採用され、「4」から搭載されたAIバトルも使い易くなっています。もちろん、ハード変更によりグラフィック・音楽ともに向上しており、特に戦闘中に背景が表示されるようになりました。

主人公の幼少時代からゲームがスタートする訳ですが、彼自身、自分や周囲の事を理解していない無色の状態なので、プレイヤーはかなり容易に彼に入っていくことが出来ます。
ご存知の通り、ドラクエの主人公は「はい」「いいえ」しか発しないのですが、これは主人公に入っていきやすい反面、あまりに過酷な運命の渦にいる彼にとっては、ちょっと”流されすぎ”に映ってしまうきらいがあります。
自らの進む道を、切り開く感覚があったらもっと素晴らしかったんじゃないかな、と。

こう書くと、「この作品には、人生最大の選択があるじゃないか」と思われることでしょう。私も書きながらそう思いました。ただ、結局どちらを選択しても、その後の展開に影響が無い事が、当時からこの作品に対する唯一の不満点でした。

何度も書いていますが、過酷な運命をたどってきた彼にとって、家庭は初めて手にする安らぎの場ではなかったでしょうか。その中で起こるであろうイベントが欲しかっです。
確かに、一家団欒はゲームとしてスケールが無いですし、物語の展開上、仕方が無いとも感じます。
ですが、逆にこうしたイベントがあれば、さらに彼の過酷な境遇を際立たせることが出来たのではないでしょうか。(なんかヒドイ事言ってますね…)

選択による最大の変化が、子供の髪の色というのは、選択肢にとっても失礼なことだと思いますし、その結果が、先述の団欒のかたちに反映されるのが普通ではないかと思います。
まあ、だらだらと書いてしまいしたが、「人生最大の選択なら、後の人生に違いが無ければおかしいだろ」って事です。

なんだか、思いの丈をぶちまけてしまいましたが、ゲームとしてはもちろん非常に良く出来ております。ドラクエのモンスターは従来から魅力的でしたので、彼らを仲間にするのは単純に楽しくて(仲間に出来る様になるきっかけに、インパクトが無いのがアレですが)、ドラクエらしく、バランスはやはり素晴らしいものがあります。

また、従来のシリーズと比べてストーリー性がかなり強くなっていて、秀逸であることは間違いありません。

なんだか、全く「紹介」になってませんが、これもこの作品への愛ゆえ、と言い訳しておきます。

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